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2011/08/28

その気持ちが分かる

かなり前に読んだ新田次郎の「槍ヶ岳開山」。
播隆上人が過去に誤って殺してしまった妻への懺悔の気持ちから出家して、槍ヶ岳の開山と言う修行を積み、今で言うブロッケン現象の御来光のなかの人影に泣き妻を見る。
いつも妻の顔は憎悪に満ちていて、まだ許されないと感じ、何度も山に登って・・・

最後には妻の表情が変わり、許された気分に成った・・・
そこらへんの記憶が曖昧で、
持っていたはずの文庫本を探して確認しようとしましたが、本が見つかりませんでした。

記述の中で、播隆上人の信徒たちも槍ヶ岳頂上に立ち、ブロッケン現象の中に各々の想いを込めている人の姿を見つけ、口々にその人の名前を声を限りに叫び続けると言うのが有ったはず。

気持ちが分かるのは
大声で亡き人の名前を叫ぶと言う事。

今、無性に妻の名前を大声で叫びたい。
声を限りに叫びたい。
ただただ名前を呼んで叫びたい。
それで何が起こる訳じゃ無いんだけど叫びたい。

普通の生活の中で大声で叫んでいい場所は残念ながら有りません。
川や山でもなかなか叫べる所ってないもんね。

車の中で叫ぶかしかないのかな。


PS)
小説の中で播隆上人は妻をあやめてしまったとありますが、実際は妻帯はしてなかったとの研究結果が在るようですね。

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