涙がこぼれないように・・上を向いて歩こうよと坂本九さんは歌っていましたが・・・
9月10月、現場も最終段階になっていたので、かなり忙しかった。
現場事務所にいる間はその忙しさに身を任せ、一時でもその辛さを忘れようとしていたと思う。
ただふとその緊張が途切れてしまう時も有り、ふっと思い出したりすると、もういけませんでした。
パソコンで図面を見ながら泣くまいとしているのに、涙が出る。
家では事の重大さを知られたくないがために泣けませんでしたし、外でも泣けなかった。
とにかく希望を捨てない、諦めない、何かいい方法があるはずだと諦めや悲しみの涙は見せられ無かった。
我慢して我慢しているので、訳が分からないとき涙が目に溜まる。
踊り場に行きタバコを吸っている振りをして上を向く。
涙は上を向いていればこぼれないだろうと、
ところが涙はこぼれてくるんです。
目をかっと開き目にいっぱい涙を溜めても目尻からぽろぽろこぼれてしまうんですね、これが。
誰にも見つからないように顔をごしごし拭いて、机に戻る。
30分後に同じ行動をしていたりする日も有った。
TVで「LIFE-僕達の場合」が放映されたり、映画「パコと不思議な絵本」を見たり、TVドラマ「告知せず」などがどういう訳かこの時期に有った。
そんな時堪えている涙をここぞとばかりに絞りだしました。
いつもはこんなに涙は流さないのに、嗚咽するくらい泣きました。
一緒に見ている娘にはこんなに泣いている親父は見た事が無いと思えたでしょう。
僕はラグビーをやってきた。
このゲームには野球と違ってコールドゲームというのが無い。
例え100点ゲームになっていても、決して最後まで試合を捨てない。
自分達のプレーで最後の一矢を報おうとする不思議なゲーム。
僕は今回ほどラグビーをやってきて良かったと思えることは過去に無かったと思う。
仲間からはまた満面の笑みを見せて欲しいと義捐金を集めて僕のところに届けてくれた。
何より嬉しく、無言だが力強い応援でもあった。
何が苦しいかを知っていてくれてとてもありがたかった。
僕は素晴らしい仲間を持ったと思う。
諦めない。
最後まで。
捨てない。
そんなラグビーで学んだスピリッツは心の中に生きているのを改めて感じた。
今はクリスマスの嬉涙を最後に泣くことは無くなった。
まだまだ厳しく大変なときではあるけれど希望の中にいる。
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