建築事務所が耐震強度を偽造…マンションなど21棟Yahoo!ニュース - 読売新聞 -
東京都と千葉、神奈川両県内のマンション計20棟とホテル1棟について、千葉県市川市内の姉歯(あねは)秀次1級建築士(48)が経営する個人事務所の「姉歯建築設計事務所」が耐震強度などを示す「構造計算書」を偽造していたことが判明、国土交通省は17日、建築基準法の耐震基準を満たしていない恐れがあるとして、地元自治体と協力し、避難を含めた住民への説明を開始した。
2棟のマンションについては、同省などの強度計算で「『震度5強』の地震で倒壊などの危険がある」という結果が出ており、大規模な補修や建て替えが必要となる可能性が高いという。
計21棟のうち、マンション13棟(計471戸)とホテル1棟はすでに完成している。あとの7棟のうち4棟が工事中で、残る3棟はまだ着工していなかった。都県別の内訳は、東京11棟、千葉6棟、神奈川4棟。
国交省によると、同事務所は2003年2月~05年10月の間、問題の21棟の柱や梁(はり)の構造計算をする際、建物にかかる外力の数値を実際の約半分にして入力していた。この結果、柱や梁が地震や台風などに耐えられない太さだったり、鉄筋が必要量より少なかったりしていた。とくに、川崎市と千葉県船橋市の2棟のマンションは、一部分が必要な強度の3割しか保たれていなかった。
姉歯建築士は問題の21棟のほかに、過去5年間で計約90棟の構造計算書の作成にかかわっていた。 |
<ニセ耐震>建築士の書類偽造に怒り マンションの住民らYahoo!ニュース -毎日新聞-
偽造が指摘された千葉県船橋市湊町2、賃貸ワンルームマンション「湊町中央ビル」(鉄筋コンクリート10階建て、59戸)。住民の男性会社員(26)は、新潟県長岡市で震度6弱(中越地震)を経験している。「地震の怖さは身に染みている。建物の大切さが分かるだけに、許せない」と憤りを隠さない。同じマンションの会社員、井上昭人さん(24)は新築だと知って今年3月に入居。「安全は十分だと思っていたのに理不尽だ。最近、地震が多いのに」と不安を募らせる。
神奈川県藤沢市の分譲マンションは、この秋に完成したばかり。10階建てで、価格は4000万~5000万円台。市からの通知書で偽造を知った男性住人(73)は「怒りを覚える。売り主にはしかるべく対処してもらいたい」。別の女性住人は「今は怒り以前に信じられない気持ち、驚きでいっぱい。入居して1週間しかたっていないのに、こんなことがあるなんて」と話した。
一方、建設中のマンションの構造計算を、姉歯建築設計事務所に発注していた下河辺建築設計事務所(東京都大田区)。工事は残り1フロア分のみの完成直前で、契約をした人もいるという。所長は「今月初めにマンションの建て主からの連絡で偽造の疑いがあることを知った。チェックしようがない」と話し、告訴も検討している。 |
仕事柄、この事件はあまりに衝撃の多いNEWSでした。
この夏、某有名小学校の耐震補強工事の仕事に携わりましたが、元々堅牢な建物でさえ、構造に拘わる柱・壁・梁などを耐震補強するにはなみなみならぬ労力を要します。
そこにある内装仕上げをはがし、コンクリートを補強、そして復元。
すでに完成してしまった建物も下手をすれば全柱・全壁・全梁、構造に係わる全ての躯体を補強しなければならない事態も発生しうる。
それはもう全ての内装を撤去し、スケルトンの状態から工事をやり直しを意味します。
電気も空調も衛生設備も天井の仕上げも壁も床も備え付けの家具も全てやり直し。
1棟の被害額にしても相当な金額で、それが完成済みが14棟、工事中4棟もあれば被害額は11桁の数字を超え、購入者の被害額も考慮すればその額は計り知れません。
個人事務所がまかなえる額では当然ない。
背景には、コスト削減のプレッシャーがあったというが、人の命には代えられないものが有ります。
何故の構造計算書偽造なのか、なんともやるせない思いでいっぱいです。
各方面に問題は深刻化しています。
関連記事
構造計算書偽造 姉歯建築士「仕事こなすため改ざん」
姉歯秀次・1級建築士(48)は「仕事がたくさんあって複雑な工程を踏むので、簡略化したかった。仕事をこなすことだけしか考えていなかった。最初に偽造したのは、02年。(民間検査機関の)イーホームズの審査の段階ではねられると思っていたが通ってしまい、驚いた。その後も仕事をこなすために改ざんを続けるしかなかった。後悔している」と語った。 |
姉歯建築設計事務所による構造計算書の偽造とその対応について-国土交通省-
構造計算書偽造問題対策連絡協議会の開催について-国土交通省-
該当物件の公表について-国土交通省-
耐震強度偽装、新築ホテルが営業中止
検査機関、ずさん計算書を見落とし…耐震強度偽装
<構造計算書偽造>国交省が民間検査の監視機能強化へ
11/19追記
強度偽装マンション、半数以上が同じ建築主
この
建築主開発費がローコストになると姉歯建築事務所を積極的に登用し、元請けの設計会社にも下請けとして使うよう指示があった。
果たして本当に無関係であったのか、今後の調べが気になるところです。
検査機関の社長「当社に過失ない」…耐震強度偽装
問題の偽造書類には、耐震基準を満たしていれば、印字されるはずの「認定番号」がなく、大臣印付きの「認定書」なども添付されていなかった。でも平気に認定してしまうことにミスは無いのか、チェックすることが生業の会社がそれでは如何ともし難い。
<耐震偽造>震度3で大きく揺れる格安物件も
貯金をはたいて手に入れた「終(つい)のすみか」の補償は誰がしてくれるのか?
耐震偽造 姉歯1級建築士と一問一答
「聴聞まで話せない」=多弁一転、取材拒否-耐震強度偽造の建築士・千葉
最近のコメント