魚のことわざ
禁漁シーズンに入って一週間、皆様はいかがお過ごしですか?
これからが管釣りの本格的シーズンよ!という方もたくさんいらっしゃると思いますが・・・。
魚は日本においては昔からなくてはならない食材でことわざにも多く魚が使われています。
その中の一部抜粋。
「秋さばは嫁に食わすな」・・・秋になると脂が乗って特に旨くなるサバ、かわいい息子を取った憎き嫁には食べさせたくないと言う姑の心理を表したもの。
「網にかかった魚」・・・逃げようとしても逃げられない、絶対絶命の様子。
「イワシの頭も信心から」・・・つまらないものでも、信仰心があればありがたく思われること。
「魚心あれば水心」・・・こちらの好意は、相手の好意しだいであるということ。
「海老で鯛を釣る」・・・小さなもので大きな利益を得ること。
「沖のハマチ」・・・期待できないこと、当てにならないこと。
「及ばぬ鯉の滝登り」・・・どうしてもできそうにないこと。
「木によりて魚を求む」・・・方法や手段が誤っていること。
「カツオ節に使う」・・・人を利用すること=「だしに使う」。
「かには甲羅に似せて穴を掘る」・・・自分の能力にあった望みを持ったり、仕事をしたりすること。
「腐っても鯛」・・・もともと優れているものは、たとえ悪くなっても落ちぶれたりしても、それなりの値打ちがあること。
「五月の腐れ鯛」・・・時期遅れの意味。
「ごまめの魚(とと)交じり」・・・つまらない者が、分不相応に優れた人々と交わること
「ごまめの歯軋り」・・・小さな力のない者が、歯軋りして悔しがっても仕方がないこと。
「サバを読む」・・・数をごまかすこと。
「サバの生き腐れ」・・・すぐにだめになること。
「井魚ともに大を語らず」・・・見識の狭い人とは、大事な相談ができないと言うこと。
「清水に魚住まず」・・・潔癖も度が過ぎると、人が近づかない。
「タイの目」・・・もっとも重要な部分。
「タイも一人はうまからず」・・・どんなにおいしいものでも一人ではおいしくないこと。
「タラ腹(ふく)食う」・・・目いっぱい食べること。
「とどのつまり」・・・行き着くところ。
「夏のハマグリ」・・・外見は良いが中身が悪いこと。
「夏のカツオに冬マグロ」・・・ちょうど時期が良いこと。
「ナマコの化けたよう」・・・しまりのないこと。
「ニベもない」・・・ニベの浮き袋から作るニカワは粘着力が強い。それがないというのは、粘着力がない=愛想がない、無味乾燥。
「猫の魚辞退」・・・内心欲しくてたまらないのに、格好つけて辞退すること。
「のど元過ぎれば鯛もイワシも」・・・済んでしまえば、たいしたことはないということ。
「ハゼは飛んで一代、ウナギはのめって一代」・・・人の一生は、誰でも変わることなく、あせっても仕方ないこと。
「ひょうたんでナマズ」・・・要領を得ないこと。
「フグを食う無分別食わぬ無分別」・・・毒のあるフグを食べるのも無分別、毒が怖くておいしいフグを食べないのも無分別。
「フグは食いたし命は惜しし」・・・何かをやりたいが、結果を恐れて決行できないこと。
「フグにあたればタイにもあたる」・・・災いというものは、どこにあるかわからないということ。
「フグ下げて井戸をのぞく子をしかり」・・・他人のことをとやかく言う前に、自分の身の廻りのことをきちんとしろということ。
「釜中の魚」・・・死がそこに迫っていること。
「盆過ぎてのサバ商い」・・・時機を失せること。
「まな板のコイ」「俎上のコイ」・・・絶対絶命の時に及んで、じたばたしないこと。
「山芋変じてウナギとなる」・・・地位の低い者が出世すること。
「魯魚の誤り」・・・文字の誤りを言う。
「轍にあぎとうフナの如し」・・・苦しくてどうしようもない危機にあること。=「轍鮒の急」
『雑学 魚あれこれ辞典』出口宗和著/西東社
などがあるようです。
ここで気になるのがゴマメという魚、あまりの言われようです。
ごまめ=セグロイワシの小魚、この魚は、背が黒いため「セグロ」「セグロイワシ」と呼ばれます。またの名を「カタクチイワシ」。
「真イワシ」よりも鮮度落ちが早く、腹のくずれや変色が出やすい魚です。
漁獲された当日でないと鮮魚では売りにくいため、市場には出にくい出しにくいとの事。
ちりめんじゃことしては、この魚が一級品で、「ごまめ」(田作り)や「煮干し」も、この魚の加工品です。
しかし、この魚も漁獲量が減少しているため、相場は上がりっぱなしで、安くなることはほとんどありません。
年末の「ごまめ」の時期には、「宝物」の様に珍重されています。
大昔には肥料にしてしまうくらい獲れたこのセグロイワシも、今では珍重されるようになっているとのこと。
それならば「ごまめの魚(とと)交じり」は死語に近いわけで、今で言うなら
「ごまめも魚(とと)交じりて鯛となす」・・・つまらない者でも優秀な人々と交流すればいつかは立派になる。
のことわざ献上。
ちなみに10月4日は104=イワシの日だそうです。
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