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2005/05/17

職人の仕事

昨日昼食時、TVを点けてみるとたまたま欠陥住宅の特集をやっていました。
秋田のご家庭のものでしたが、部屋の隅々のクロスに裂け目が出来ている。
施工会社に問い合わせると「必ず裂けるんです」との答えしか帰ってこない。
そこで欠陥住宅に詳しい建築士がその家を検査するのですが、調べれば調べるほど手抜きの内容が明らかになって行きました。
フローリングが壁に突いていない。巾木の手前で床が切られている。
なので痩せた床材と巾木には隙間が出来、風がヒューヒューと入ってくる。
屋根裏に入ると手抜きはさらに明瞭になります。
柱と梁を固定する為の羽子板金物が皆無、依って3年しか経っていないにも係らず梁と柱が離れているような箇所も見つかる。
天井裏には雨漏りの跡もあり、そこにはすでに黴が発生して異臭すら放っている。
雪まで積もっている写真が有りました。
検査をした建築士の方は「これはもう職人の仕事ではない、素人がやったとしか思えない」と発言。
画面に映る、柱や梁も目の荒いスカスカな木材が使われていました。
筋交いも×でなく/しか入っていない。
構造的に欠陥だらけのこの住宅はすでに全体にゆがみが出ていたる所に亀裂を生じ始めていたようです。
でようやく交渉に応じた施工会社が「うちは信用第一ですから」の一言に交渉場は修羅場と化すので有ります。

「職人の仕事」まさしくその道のプロがプロとしてお金の取れる仕事を言います。
20数年前この仕事に就いたとき、仕事をしてもらった各業者の親方衆には大変お世話になりました。
家具職人もその道40年とか言う超ベテランでしたし、大工さんも棟梁と呼ぶにふさわしい方でした。
下手な図面を書いて渡そうなものなら「こんな図面で仕事が出来るかい!」とよく突き返されたりしましたっけ。
こちらも悔しいので一晩寝ずに図面を書き直して再度持っていったりしたものです。
「大体、棟梁ってのはクラスでも一番頭が良くて級長になるような男がやるもんだ」と言ってはばからない親方でした。
プロとしてきちんとした仕事をする、それがプロだと門前の小僧は教わったものでした。

効率や利益ばかりを追求して基本の「き」の部分で手抜きをしても平然としていられたTVに出た施工業者にはそういったプロが居ないという事なんでしょうか。
前にも愛知でしたか、認知症の老姉妹からむしり取れるだけ不要な工事を押し付けたリフォーム会社や白蟻駆除業者、本来なら悪徳業者として社名公表されるべきだと思います。
営業成績や利潤だけを追い求めたあくどい手口。
社名は秘すということでは済まされないことだと思います。

仕事のことを書くとのほほん日記ではなくなってしまうのでコレくらいに。


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過剰工事:3年間で数千万円分、認知症の老姉妹食い物に(毎日新聞) 「弁護士は「業 [続きを読む]

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