僕が少年だった頃(16)-同窓会
先日、同窓会の便りが届きました。
まぁ便りと言っても電話なのですが、地元の小学校の同窓会。
前回の同窓会が開かれたのは僕が20歳、成人式の前後ということで実に四半世紀ぶりの同窓会となります。
クラスのメンバーを思い浮かべると不思議とフルネームが出てきました。
数えて35名、はて?クラスは一体何人いたんだろうの素朴な疑問。
40名近くいたような記憶もあるのですがどうにも思い出せません。
普通は小学校-中学校と同じ顔ぶれになるのですが、今と違って学区域が広かったので3つの中学に分かれて行きました。
その中にはまぁ初恋の子もいた訳でして、運良く同じ中学に進むことになります。
小学校時代にはとても仲のいい子でした。
ところが中学に進むと、思春期の照れのようなものが出てきてしまって話すことが出来ない。
3つの中学に分かれて行くのにそれぞれ50%40%10%の割合で一番少人数、数少ない幼馴染。
その子は中学に入ると益々可愛くなり、男子生徒からモテモテの状態。
僕はと言えば、当時でも珍しい男子全員の坊主頭。
その上慣れぬ環境にストレスが溜り、円形脱毛症になります。
坊主頭に円形脱毛症と言うのは結構辛いものがあり、どうにも隠しようがない。
それが気になって気になって益々悩んで直径1cmが5cmくらいまで大きくなる。
一つならまだしも、2つ3つとくるとそれはもう酷い自己嫌悪。
そんな状態では親しかった初恋の君との距離は遠くなるばかりでした。
その夏に彼女から暑中見舞いが届きます。
嬉しいので一生懸命返事を書いた記憶があります。
しかし中一・中二・中三とその距離は遠くなるばかりでした。
結局一度も同じクラスになることもなく、「好きです」の言葉一つ言うことも出来ず別々の高校へと進みます。
高校に行き、駅で同級生だった女の子に会ったとき聞かされた話があります。
その同級生は僕の初恋の子とも仲が良かった。
初恋の彼女、中一の時の僕の暑中見舞い、中学在校中ずっと自分の鞄の中に入れてくれていたそうです。
「私の宝物なの」と言ってはよく見せられたのよと。
あの時、もう少し勇気があったなら、もっと素直に慣れたなら、自分の気持ちが正直に出せたならば・・・・。
悔やんでも悔やみ切れない少年の恋。
「悲しいことがあると 開く皮の表紙 卒業写真のあの人は やさしい目をしてる・・・」と始まる荒井由実の「卒業写真」はまさにタイムリーな歌だったりします。
その後約30年、中学卒業以来彼女とは会えていません。
男女の仲に甘酸っぱいものが残る懐かしい時代の名残。
素直に成れなかった少年の頃。
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